225 戦記

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日銀ショック ブルームバーグ記事

日銀ショックブルームバーグ記事

 

金融緩和継続に変わりはないそうだ …

そういえば国債発行残高の日銀持ち分が50%を超えたんだっけなー

 

 

Bloomberg

円急騰で債券と株急落、日銀が長期金利変動幅拡大-市場に驚き
上野英治郎 - 2 時間前


ブルームバーグ): 20日の金融・証券市場で円相場が急騰、債券相場は急落(長期金利は急上昇)して株価も急落した。日本銀行金融政策決定会合で長短金利操作の許容変動幅を拡大したことで、金利上昇観測が急速に広がった。黒田東彦総裁はこの決定について「利上げではない」との認識を示した。

 

  日銀は金融政策決定会合20日イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)政策を一部見直して、0%程度に誘導している長期金利の許容変動幅を従来の上下0.25%程度から同0.5%程度に拡大すると発表した。国債買い入れ額は大幅に増額して、金融緩和の持続性を高めて物価目標の実現を目指す。

 

20日の金融・証券市場の動き
円相場は対ドルで一時3.1%高の132円68銭まで急上昇
長期金利は0.46%と約7年ぶり水準まで上昇、先物は一時2円34銭安と急落
日経平均株価は一時820円安、終値も669円(2.5%)安

 

為替
  東京外国為替市場では円が1ドル=132円台へ急反発。日銀のYCC政策修正を受けて、円を買う動きが活発化し、円は4カ月ぶり高値を付けている。午後3時5分時点でもこの日の高値付近で推移している。長期金利の許容変動幅拡大は利上げではないとの黒田総裁発言を受けて円はやや弱含む場面があったが、総じて反応は限定的にとどまった。

ドル・円相場の推移

 


ドル・円相場の推移
© Bloomberg


  NBCフィナンシャルマーケッツ・アジアのディレクター、デービッド・ルー氏(香港在勤)は「日銀は今までずっと何も変更してこなかっただけにサプライズ」と指摘。買い入れ額を大幅に増額したが修正したこと自体が重要として「この先の政策に対する期待も高まり、円買い圧力が強まりそうだ」と話した。

 

  野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは、今回のYCC政策でイールドカーブ(利回り曲線)全体が25bp程度上がるくらいなら、金利差の関係で円高インパクトは1%ちょっとの計算になると指摘。その上で、「黒田体制下での最後の修正として市場期待が落ち着くようなら、若干ドル・円の押し目買いの動きが出てきてもおかしくない」と述べた。

 

債券


  債券相場は大幅安。長期国債先物3月物の終値は前日比1円72銭安の146円14銭。日銀が長期金利の許容変動幅を拡大したことを受けて、午後の取引開始から売りが殺到。大阪取引所はサーキットブレーカーを発動して取引を一時中断した。取引再開後に2円34銭安の145円52銭まで急落。長期金利は一時21ベーシスポイント(bp)高い0.46%と2015年7月以来の水準まで上昇した。

 

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、日銀の長期金利許容変動幅上げについて「海外発の金利上昇圧力が続けば再びYCCアタックが起こる可能性がある」と述べた。長期金利の変動幅拡大が日銀の正常化の手法だとすれば、YCCは実質的な撤廃に近づいているとして「市場のボラティリティーはますます高まるだろう」との見方を示した。

 

  金利急騰を受けて日銀は、臨時の国債買い入れオペを通知した。対象は中期・長期・超長期ゾーン。過度の金利上昇を抑える姿勢を示した形だ。さらに日銀は中期と超長期ゾーンを対象に指し値オペを通知した。

 

  SMBC日興証券の奥村任金利ストラテジストは「サプライズな政策修正による無秩序な金利上昇は金融システムのリスクにもつながるので、買い入れでボラティリティー(相場変動率)を相殺しようとしている」と指摘。指し値オペについては、「急激な金利上昇に対しては、10年以外の年限でも対応する姿勢を示している」と言う。

 

日本株


  日本株は急落した。日経平均株価は一時820円73銭(3.0%)安の2万6416円91銭、TOPIXの下落率も一時2%を超えた。日経平均終値は669円61銭(2.5%)安の2万6568円03銭、TOPIXは29.82ポイント(1.5%)安の1905.59で取引を終えた。東証プライム市場の概算売買代金は4兆757億円と、11月30日以来の高水準だった。

 

日経平均株価の推移

 


日経平均株価の推移
© Bloomberg


  日本銀行が正午過ぎに金利操作の運用修正を発表し、国内金利も上昇することを警戒した売りが集中した。金利上昇で割高感の増す半導体関連などの成長株の下げが目立つ。半面、利ざやを確保しやすくなる銀行株は高い。

 

  SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリストは、株が直接反応する材料ではないが金利上昇や為替の円高を通じて株にはネガティブに働くと指摘した。日銀が金融政策の運用を修正したことはサプライズでコミュニケーションのやり方としては想定外だとして、市場へのインパクトはあり、日銀の政策先行きが読みきれない疑念が及ぶと述べた。

 

「利上げでない」


  会合後の会見で日銀の黒田東彦総裁は長期金利の許容変動幅拡大について「利上げではない」と述べた。 背景としては、イールドカーブの形状がややゆがんだ形になっており、変動幅拡大で市場機能改善による緩和効果波及のためとした。その上でYCCや量的・質的緩和を見直すことは当面考えられないとした。政府と日銀の共同声明は「現時点で見直す必要はない」とした。